
前回の記事に引き続きMicrosoft Clarity(クラリティ)のダッシュボードの使い方について解説していきます。
今回の記事ではダッシュボード内のスマートイベントパネルの見方、参照元パネルの見方、技術情報パネルの見方について見ていきましょう。
前回の記事ではダッシュボード内の基本指標、ユーザーパネルの見方、インサイトパネルの見方について解説していますので、そちらについて知りたい方は前回の記事をお読みください。
Microsoft Clarity(クラリティ)のスマートイベントパネルを解説
Microsoft Clarityの「スマートイベント」とは、ユーザーの特定の行動(イベント)を自動で検出・記録してくれる機能です。
Googleアナリティクスのイベントトラッキングに似ていますが、Clarityでは追加設定なしで使えるのが大きな特徴です。
スマートイベントでわかること
Clarityは、次のようなユーザーのアクションを自動で検出します。
- 外部リンクのクリック(アウトバウンドクリック)
- フォーム送信の完了
- 動画やボタンの再生・操作
- お問い合わせボタンのクリック
- ページ内の「もっと見る」を押した展開操作 など
これらの行動は、ユーザーが何に関心を持ち、どんな目的でページを訪れたのかを知る手がかりになります。
Clarityで自動検出される「スマートイベント」一覧(2025年最新版・非公式まとめ)
以下は、Microsoft Clarityが自動的に検出できるとされる主なスマートイベントの一覧です。Clarityは公式にすべてのイベントを公開しているわけではないため、一部は実際の使用環境で検出されない場合もあります。
イベント名 | 内容(どんな行動か) |
---|---|
アウトバウンドクリック | ユーザーが外部サイトへのリンク(別ドメイン)をクリックした |
フォームの送信 | 入力フォームの送信が完了(submit)された |
お問い合わせ | 「お問い合わせ」ボタンがクリックされた |
再生 | 埋め込み動画(YouTubeやvideoタグ)が再生された |
表示数を増やす | 「もっと見る」「続きを読む」などの要素をクリックして表示を展開した |
電話リンクのクリック | tel:リンクがクリックされ、電話発信が意図された(スマホ) |
メールリンクのクリック | mailto:リンクがクリックされ、メールソフト起動が意図された |
ボタンのクリック | |
リンクのクリック | のリンクがクリックされた(内部外部問わず) |
スクロール到達 | ユーザーがページ内の一定の深さ(例:50%や最下部)までスクロールした |
Microsoft Clarity(クラリティ)の参照元パネルを解説
「参照元」パネルでは、ユーザーがどの外部サイト・検索エンジン・キャンペーンリンクなどからサイトに訪問したのかを確認できます。Clarityでは、流入元のドメインやURLが一覧で表示され、どの媒体が多くの訪問を生み出しているかを視覚的に把握できます。
1.参照元(デフォルト表示)
ユーザーがアクセスしてきた「直前のページのドメイン(サイト名)」を表示します。
Google、YouTube、自社サイト内リンク、外部ブログなどがここに出てきます。
活用例
- どの外部メディアから流入しているかを知りたい
- 他社ブログや紹介記事からの効果測定
- 自社ドメインからの内部遷移も含まれる
2.チャネル(Channel)
アクセス元を「検索」「ダイレクト(直接入力)」「外部リンク」「ソーシャル」などの流入チャネルごとに分類したもの。
分類例
- Organic Search(自然検索)
- Direct(直接アクセス)
- Referral(参照リンク)
- Social(SNS)
- Paid(広告)
活用例
- 検索エンジン vs SNS vs 広告の流入バランスを把握
- SNSの集客効果の確認(例:Twitterがどれくらい貢献してるか)
3.キャンペーン(Campaign)
Google広告やSNS広告などのキャンペーン単位での流入を分類・確認できるタブです。
たとえば「春のセール」「新商品プロモーション」など、どのキャンペーンから訪問があったかが表示されます。
※表示させるにはあらかじめ広告側での設定が必要です。設定の詳細はここでは割愛します。
活用例
- 広告キャンペーンごとの効果比較
- 同一媒体内のクリエイティブ別成果チェック
4.ソース(Source)
参照元のドメイン名や媒体名が表示されます。
- google → 検索流入
- facebook → SNS流入
- youtube → 動画経由
- newsletter → メルマガなど
参照元とは?
ユーザーがあなたのサイトにアクセスする直前にいた場所(サイトやサービス)を「参照元」といいます。たとえば、Googleで検索してクリックされた場合は「google.com」、SNSのリンクから来た場合は「twitter.com」などが参照元として表示されます。
このタブでは、その参照元のドメイン名や媒体名が一覧で確認できます。どのサイト・サービスからの流入が多いかを把握するのに役立ちます。
Microsoft Clarity(クラリティ)の技術情報パネルを解説
このパネルでは、アクセスしてきたユーザーの
- 使用ブラウザ(例:Chrome、Edge)
- 使用デバイス(例:スマホ、PC)
- アクセス元の国(例:日本、アメリカ)
などの情報を確認できます。
Webサイトの表示や動作に問題がないか、技術面の傾向を把握するのに役立ちます。特定のブラウザだけで崩れが起きていないか、海外からのアクセスがあるか、などの確認にも便利です。
1.ブラウザ
ユーザーがどのブラウザ(Chrome、Safari、Edge、Firefoxなど)を使用しているかの割合を確認できます。特定のブラウザにユーザーが集中している場合は、そのブラウザでの表示や動作確認を重点的に行うと安心です。逆に、特定のブラウザでのみ不具合があるといったトラブルの原因特定にも役立ちます。
2.デバイス
PC・スマートフォン・タブレットなど、どの種類の端末からアクセスしているかを表示します。モバイルユーザーの割合が高い場合、スマホに最適化されたUI設計やページ表示速度の改善が特に重要です。LPやECサイトでは、このデバイス別データからCV導線を見直すきっかけになります。
3.国(地域)
訪問者がどの国からアクセスしているかを表示するパネルです。基本的に日本国内のみを対象としているサイトであっても、海外からのアクセスが確認できる場合は、言語対応やセキュリティ面の見直しが必要になることもあります。
4.オペレーティングシステム(OS)
Windows、MacOS、iOS、Androidなど、アクセス元のOSごとの割合が表示されます。OSによっては動作や表示仕様に細かな違いがあるため、よく使われているOSを優先的に確認・テストするとユーザー体験の向上に繋がります。